「えっ、フライをやるんですか? 私もテンカラやルアーにハマってるんです。今度、是非ご一緒しましょうよ」──。仕事で初めてお会いしたにも関わらず、“同志”と判明してからは、まるで旧知の仲のように打ち解けて話が弾み出したのでありました。
ことの発端はといえば、ビジネス上の互恵関係を探る打ち合わせの席上、アイスブレークとして、とある山懐でツキノワグマに遭遇して肝を冷やした一件を明かしたことにありました。「なんでまた、そんな場所に行ってたんですか?」「実は渓流釣りが好きで、その時はフライフィッシングという毛鉤釣りの一種の…」と言葉を継ごうとしたら、冒頭のような切り返しがあったのです。 続きを読む 砂に埋まった日川