被りモノが好きなのである。釣りに行く時はもちろん、日常も無意識のうちに帽子の類を着用していることが多い。似合っていないことには薄々気がついている。でも、好きだからしょうがない。いつの間にか、部屋にはハット、キャップ、ハンチング…いろいろなのが転がっているのだった。とりたてて書くことがない時には、そんな帽子の中から1つをピックアップして紹介することにしよう。
ここのところ、肌寒い日に登板頻度が高いのがFoxfireの「レスリーチェックウールハット」だ。フィッシング用品を中心にアウトドアグッズを展開するティムコ社のアパレルブランドである。WebブラウザのFireFoxと混同しがちだが、そのネーミングの由来をはじめとするブランドストーリーはこちらを参照されたし。ウール90%/ナイロン10%のこのハットは暖かく、縫製もしっかりしていて上質だ。ただし、実際にかぶってみると、つばの部分がウネウネ波打ってシルエットが崩れるのが個人的には気になる。もっとも、これは製品のせいではない。私が「頭でっかち」なのだ。当モデル最大のLサイズを購入したが、それでもちょっとキツい。それを無理して被ると、ハットが悲鳴を上げてたわむのである。
顔そのものは決して大きくないと思っている。問題は頭のプロポーションにあるらしい。首から上のパーツを客観的に眺めてみると、何と言うんでしょうかね…グリコのカプリコを天地方向に押し縮めたというか、ちびまる子ちゃんに出てくる藤木くんというか、古くはタイムボカンのボヤッキーというか…。つまりは水平方向ぐるり360度どこから見ても逆三角形なのですよ。加えて、こめかみから上の「鉢(ハチ)」の部分がさらに張り出しているから始末が悪い。この点ではドコモダケに似ているという意見もある。怖くて実測していないが、頭囲にメジャーをあてれば60cmを軽く超えるであろう。尺ヤマメ2匹分ですよ。「ドングリ」拝命の由来を知らぬ人は、私の顔(頭?)を見るなり「はは~ん、そのニックネーム、言い得て妙ですね」なんて口にするのだ。八頭身ならぬ“ハチ頭身”、ザッツライト。
最初からヘルメットを被っているような頭の持ち主が、さらに帽子を被ると、全体的に妙なバランスになってしまうのはご推察の通りである。圧巻だったのは、KAVUの「CHILLBA(チルバ)」を着用した時の姿だが、これはまた別の回に譲るとしよう…。ここまで冷静に分析できながら、やはり今日も帽子に手が伸びてしまう。好きだからしょうがない。そういうことだ。最近、ヘアスタイルをショートに戻した背景には、帽子にかかる負担を少しでも減らそうという配慮があったことを付記しておく。
先のFoxFireのハットに話題を戻すと、同じチェック柄をあしらったハーフパンツ「ネオクラシックショーツ」もリリースされていたので、こちらも購入してしまった。ある日、機能性タイツの上にこいつを履き、ハットも合わせて出勤したことが1度だけある。カジュアルが許される職場とはいえ、オッサン風情が挑むコーディネートとしては、やり過ぎ感ありありであった。ソルメイト(solmate)のド派手ソックスも履いてたしね。結果…その日、「一緒にランチ行きませんか?」と声をかけてくれる仲間は誰一人いなかったのである。(by ドングリ)