このところ、手元にある釣り雑誌やDVDの類を見尽くしてしまって、ちょっぴり手持ちぶさた…。で、たまたま立ち寄った書店のアウトドアコーナーで山本素石氏が著した「画文集 釣山河」を見つけて買ってしまいました。
つり人社から刊行された最新復刻版です。同社サイトのショッピングコーナーに記されている本書の内容を一部抜粋させていただくと──
ツチノコを世に知らしめ釣りザオをリュックに忍ばせながら山村を放浪、渓流釣りと山村の生活、風景をこよなく愛した山本素石さん最晩年の作品を含めた綺談エッセイ集2冊が同時発刊。
(中略)
現在入手困難な絶版本で愛されたエピソードを精選し、書籍初収録となる「画文集シリーズ『釣山河』」、「釣りと風土」を新たにプラスした最新復刻版。
──というもの。読み始めると止まらず、まさに寝食忘れる感じで読破しちゃいました。
選りすぐった言葉で綴られる文章の向こうに、かつての山村の暮らしやら、ツチノコを巡る人々の風体やらが、ありありと浮かぶんです。ビジュアルから入ってくる雑誌や動画コンテンツと異なり、読み手のイマジネーションとも重なって“味を噛みしめる”ことが長続きする活字の世界。いやはや、堪能させていただきました。
普段、釣りに行く渓流も十分に綺麗だと思う所が多いのですが、かつてはもっともっと清く豊かだったんでしょうね。ノスタルジーに浸るタイプじゃないものの、もし、そんな場所に立つことができたとしたら、いくらなんでも私のフライにだって1匹や2匹は掛かるんじゃあるまいか…。そんな逞しい想像すらしながら1冊に没入した昨夜でありました。