今シーズンの釣行先におけるランチでは、ワンバーナーでの調理を前提としたことが何度かありました。作ったのは確か、麻婆ラーメンや冷やし中華とかだったはず。手軽で失敗が少なく、それなりに満足できるものとなると、なんだかんだ麺類に落ち着くんですよね。
他にも色々とできそうなんですが、いざ具体的なメニューを考えようとすると、これというアイデアがなかなか湧かないもの。そんな時にヒントとなるのが、いわゆるレシピ本です。ただし、野外料理の本はあまたありながら、“ワンバーナーしばり”となると意外に少ないような…。
アウトドア界の行動派ライター、シェルパ斉藤氏による「ワンバーナー簡単クッキング」(エイ出版社)は、このジャンルを拓いた先駆的著作といったところでしょうか。実践をベースに考えられた道具立てや調理の工夫が参考になります。何日にもわたって旅を続けていると、無駄なものが自然にそぎ落とされていくんだなぁと感じたりします。
その後、野外フェスを楽しんだり、ウルトラライトハイキングを志向したりするアウトドア女史が増えたこともあってか、彼女たちの視点やセンスでまとめられた料理本が目に触れるようになってきました。手元にあるものでいえば、「あおぞらごはん」(エイ出版社)、「1バーナークッキング」(大泉書店)などなど。各ページには、こじゃれたメニューが並んでおります。
そうして選択肢が徐々に増えてきた中で、最近のお気に入りの1冊が「げんさんの山めしおつまみ」(エンターブレイン)。以前から「山めし礼讃 – 山料理 山ごはんレシピの記 -」というブログを楽しく拝見しておりましたが、その内容をベースとした書籍がこのほど刊行されたのです。
この本になぜ惹かれたかというと、“酒の肴”としてのメニューが充実しているからなんです。「こいつをつつきながらの一杯が最高なんだよね…」という著者のにんまりした表情がページに漂っているようで…料理がぐんと旨そうに見えてきます。食材や調味料は、コンビニで手に入るものを基本としている点も見逃せません。
これを眺めていると、つい自分でも何か作りたいという衝動にかられる昨今。遅く帰った時など、キッチンにわざわざワンバーナーを持ち出して、独り夜食を作って食べるのもおつなものなのです。不審な物音に目を覚ました家人が「そんなのガスコンロ使えば楽ちんなのに」と呆れ顔で指摘することなど耳に入らず。今日もまた、いそいそとインドアでのアウトドア料理?に舌鼓を打つのであります。