昔から地形図を眺めるのが好きでした。等高線や地図記号を頼りにその場の様子を空想するだけで時間をつぶせるタチなのです。
きっかけは、蝶を採集する趣味があった北海道での中学生時代まで遡るかもしれません。オオイチモンジやベニヒカゲなど憧れの種を求めてあちこち出かけた際、たどった経路や採集結果を地形図にメモしておけば、印象深いシーンを脳裏に再現できる。それが楽しくて楽しくて…。
高校生になって自転車ツーリングを始めた時も、計画を立てたり走行履歴を記録したりするのにロードマップや地形図は欠かせないものでした。多分、実家の倉庫を漁れば、まだどこかに残っているんじゃないかなぁ。
その後、GPS技術の進化と普及によって、地図遊びの面白さは格段に広がってきました。出かけた先の現在位置を電子地図に重ねて確認したりできるハンディGPSや、移動の軌跡を自動的に記録することに特化したGPSロガーなどの登場は、その象徴的存在かも。
家族を持ってからも、キャンプに出かけた先での登山や山菜採りなどのアウトドア趣味が抜けなかった中で、いつしか自然にGPSガジェットの類に手が出ておりました。あ、もちろん釣りのシーンでも今なお、時々使っております。
これまでに使ってみたGPS関連機器を順に挙げるとこんな感じです。
- GARMIN eTrex Legend <ハンディGPS>
- Wintec WBT-201 <GPSロガー>
- SONY GPS-CS3 <GPSロガー>
- Wintec WBT-202 <GPSロガー>
これらに加えるとしたらiPhone+GPSアプリ「MotionX-GPS」の組み合わせかな。
今でこそ、Google MapsやGoogle EarthといったWebサービスで電子地図はぐっと身近になりましたが、それ以前はフリーウェア「カシミール3D」とその解説書に付録でついてくる地図データに随分とお世話になったもんです。
釣りの記録という観点でGPS端末を考えると、「操作や携行に煩わしさがない」「ある程度の防水性や耐衝撃性がある」といったことが最低条件でしょうか。源流を詰めるシーンでは「現在地の地図での確認」「予定ルート登録とナビゲーション」なども欲しくなりますが、まぁそんなことしないもんなぁ…。
仕様を割りきって考えると、そこそこ使えるかなと思ったのがデジカメ「STYLUS TG-2 Tough」のGPSロガー機能です。写真撮影も行動記録もこれ1台で済ませられるのは何となく魅力的。
鹿留川に出かけた際、釣り始めのタイミングから日帰り温泉入浴、夕食での立ち寄りまでを試しに記録してみました。結果はというと…自分の用途では「合格点」っす。
山間部であることや、そもそもの機能精度から「釣れたのはこの淵」といった“ピンポイント的な位置特定”には必ずしも向かないかもしれません。一連のログデータの1点を切り取る意味で撮影データに埋め込まれている位置情報を見てみると、遮蔽物の影響でGPS信号を一定期間ひろえなかった場合(クルマで大きく移動した際など)に、直後のカットの位置情報が衛星補足までのタイムラグで明らかにずれることがあったりします。
そんな点を差し置いても、トータルで「当日の行動範囲は概ねこんな感じだった」という足跡を把握するには十分な性能。上空が開けた川で釣り続ける場合には、精度はさらに増すはずです。バッテリーの持ちもいいので、前日にフル充電しておけば日帰り釣行の途中で困るなんてことはまずないでしょう。
そうそう、TG-2には「アシストGPS」機能というのがあります。電源投入から測位までの時間を短縮するため、その時に観測可能なGPS衛星の軌道情報をあらかじめカメラ本体にダウンロードしておくというもの。実作業としてはパソコンと接続し「A-GPS Utility」というソフトを介して行います。このデータの有効期限は14日間なので、出かける前に最新のものに更新しておくことが欠かせません(忘れても測位はできるけど時間がかかりがち)。
もう少し経験を積んで本機のGPS性能のクセをつかめば、より楽しく利活用できそうな予感。普段使いも含めて、しばし研究してみたいと思います。