Ready, Zip, Dip!

いざ、シャキーンと広げてランディング!──ってな超訳が正しいかどうかはさておき、今回のネタは「インスタネット(INSTA-NET)。

暑い季節は、涼しくて身軽な装備で川に立ちたくなるもの。で、「フライベストなし」を前提にすると、ふと困るのがいつも背にぶら下げているランディングネットをどうするかということ。

ベルトにカナビラを付けて、そこに固定することが多いのですが、岩にぶつけたり、草木に引っかけたり、知らぬ間に外れていたりと、意外とトラブルが多いんですよね。煩わしさを感じることなく腰回りに装着しておけないものか…ってなことで興味を持っていたのがインスタネットなのであります。

ステンレススチール製の板バネフレームにネットがセットされており、そこをグリっとねじることによって、グリップ以外の部分を3分の1程度の大きさに折り畳めるのが最大の特徴。そこそこの歴史がある製品で、メーカーであるHandy Pak Net社(米国ペンシルバニア州)のルーツは1950年代のようです。

フォールディングネットの先駆け、INSTA-NET

このインスタネット、確かオーナーのリタイアかなんかが理由で、一時は市場から姿を消してしまったんですよね。もう手に入らないかと思っていたら幸いにして新しいオーナーが現れ、オリジナルを踏襲したモデルを続投ってな展開に。日本でも2011年ころから再び流通し始めたのでありました。

過日、仕事で西新宿のアイランドタワーに行ったついで。一角のアイランドアトリウム2階にあるフライショップ「BLUE DUN」を訪ねました。奥の方へと歩を進めると、ありました、ありました。インスタネットが在庫してあります。

スタッフさんが箱を開け、中身を取り出してくれました。あらためて現物を手にしてみると…思っていたより大きいかな。自分が普段釣り上げる(釣れないことの方が多いけれど)サイズには不釣り合いか!? むしろ、シーズンオフに行く管釣り向きって感じかも。

フレームやネットについては、国産勢が出している折り畳み式渓流ダモ(シマノはこちら、ダイワはこちら)の方が出来がよい気がしなくもない…。そうだ、ダイワはフライ用も出してましたっけ。うーむ。片やインスタ、これはこれで“味”があって捨てがたい。グリップを鹿角や銘木仕様とかにカスタマイズするのも面白そうだしね。

しばし悩んだ結果…買い求めてしまいました。いくつかのバリエーションがある中で選んだのは、チェリーウッドハンドル+メッシュネット+レザーケースのタイプ。「往年のシリーズのレプリカ」という位置付けのヴィンテージモデルです。

さーて。外箱のイラストに描かれているように、Ready, Zip, Dip! と首尾よくいく日は来るのだろうか。Rise, Hit, Break! てな具合に力余ってアワセ切れ(あるいはロッド折れ)しませんように。いやいや、その前に、次回こそは何らかの手応えがありますように…。

外箱に描かれた、取り扱いを示したシンプルなイラスト

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