ドライ日和とヒレピン岩魚

鹿留川に行ってきました。朝方は爽やかに感じていた気候も、陽の光が次第にパワーアップして、日中には肌がジリジリするほど。木々の葉がいつもにも増して輝いていたのが印象的でした。

入渓したのは午前9時ぐらいだったでしょうか。あたりをちょっと観察してみると、小さなカゲロウやカワゲラが活発にうごめいているのが目に入ってきます。ドライには、なかなか良いコンディションかも!?

数年前の台風ですっかり渓相が変わってしまった堰堤の上、チャラ瀬続きの広い河原でまずは支度を整えます。この日は6X/12ftのリーダーに7Xのティペットを4ftほど足した、いつもより少し短いシステムでスタートすることに。

──変化の乏しい瀬をやり過ごして進んでいった先に、小規模な淵がありました。釣り人なら、誰しも竿を出したくなるようなポイント。もっとも、魚が好みそうと感じるのは人間の勝手な思い込みかもしれず、往々にして裏切られるんですよね…。プレッシャーの高い川ならば、魚にとっては、むしろDangerZoneとして認識されているのかもしれません。

でも、そこは釣り人の性。もしかして…と、はやり今日も竿を出すのであります。姿勢を低くしてポイントに近づき、そっとキャスト。それは4投目くらいだったか、フライを追ってくる姿が見えました。おっ、いる! こんな時、いつもは立て続けにキャストして、結局はものにできないことが多いことを思い出し、慌てず間を置くことを自分に言い聞かせます。

5分は経ったかと腕時計に目をやると、まだ2分弱。これまた釣り人の性か、我慢できずに再トライです。フロータントスプレーをシューっと吹いて、先に反応があったポイントのやや上流にフライをそっと落とす…首尾よくいきました。

その瞬間がやってきました。底からふっと浮いてきた黒い影がフライをちょこっとついばみUターン…と、思った刹那に今度はガバっと吸い込んだのです。フェイントを駆けられたような感じでしたが、それでも何とか右腕が反応し、ラインの先に魚が乗った感触が伝わってきました。

直後、フライを咥えたそいつが勢いよく走る走る! 思った以上に重い…。ロッドがしなり、無理をするとティペットが切れそうです。ヒヤヒヤしながらテンションを掛け続け、やっとのことで寄せることに成功。ネットに収まったのは、尾びれが立派な28cmのイワナでありました。

鹿留川で釣れた28cmのイワナ。取り込むのに苦労させられました
鹿留川で釣れた28cmのイワナ。取り込むのに苦労させられました
使ったフライはこんなタイプ。パラシュートの反応は芳しくありませんでした
使ったフライはこんなタイプ。パラシュートの反応は芳しくありませんでした

── 一日を通してコンスタントにドライに反応があり、十分に楽しめた鹿留川。それにしても、自分にとっては久々(初めて!?)の大物に、他の釣果の印象が薄らいでしまうぐらい。こんな事が稀に起こるから、やっぱり釣りって楽しいんだよなぁ。

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