意外な場所から意外な釣果

6月13日に日川へ行ってきました。調布ICに乗る時には、どんより曇っていた空も次第に明るくなり、笹子トンネルを抜ける頃にはすっかり青空となりました。

山道を走り、見慣れた入渓ポイント近くにたどり着いたのは8時半近くだったかな。まずは、いつも入漁券を購入している民宿の女将さんにご挨拶。これまた、いつも通りに世間話に花が咲いて、あっという間に30分が経ってしまいました。

その近くから竿を出すのが毎度のパターンですが、今回はまず上流にクルマを走らせました。というのも、同行メンバーの知人(飲み人脈)がクワガタ採集にやってきており、ペンションすずらんで休憩している?との事前情報があったのです。都内某所にある酒場の暗がり以外で、しかも遠く離れた山梨県で逢えるなんてこと、滅多にないですからね。もとより、前々から上流域の渓相が気になっていて、良さ気な所があれば、そこから釣り始めようとの目論見もありました。

首尾よくクワマンT氏に逢うことができて、しばし談笑タイム。狙いはミヤマクワガタとのことですが、まだちょっと時期が早く、気温も低いとあって、望み薄とのことでした。この辺り一体は、釣り人のみならず、虫屋さんにも人気のエリアであることを、あらためて知った次第です。

道すがら、ちょくちょく川の様子も観察しました。山岳渓流の景観が続いていて釣り欲をそそるものの、釣り人のものと思われるクルマがあちこちに停まっております。この辺りは、前乗りするか、かなり早朝から攻め入らないと難しいようですね…。という訳で、結局は勝手知ったるエリアまで戻ることになりました。

釣り開始は10時。ランチまでの2時間が午前の勝負です。前回よりも木々が鬱蒼としているので、やや短めの7ftのグラスロッドを手にしました。これを使うの何年ぶりだろう? しかし、これがちょいと失敗。全体的に柔らかくて粘りあるアクションに体が慣れず、うまくコントロールできまないのです。キャストミスを連発し、川面を荒らすばかり…。何度かフライに出ましたが、午前はボウズをくらいました。

先のT氏にも合流頂いて、蕎麦を主とするアウトドアランチを堪能。釣りを再開したのは14時過ぎとなりました。使い慣れた7’8″のロッドに持ち替え、林道をしばし下ってからの入渓です。

釣り始めて15分後くらいだったでしょうか、ようやく、この日の1匹目がフッキングしました。16cmほどのアマゴです。小さくとも、釣れれば気持ちが楽になるってもの。肩の力が抜けたのが良かったのか、その後も2匹ほどの釣果に恵まれました。もっとも、サイズは伸びません…。

そうこうしている内にランチを楽しんだ駐車スペースの脇のまで戻ってきてしまいました。そこは変化の乏しいフラットな流れ。底石はある程度入っていて、見方によっては小さなポイントが点在しているとも言えますが、いかんせん水深が浅く、次の大場所まで足早にスルーしそうなエリアです。自分も、給水のために一旦クルマに戻った後は、上流に向かおうと考えておりました。

そんなタイミングでフライを流木に引っ掛けてしまいロスト。ラインをリールに巻いて移動するには不都合なので、次なる弾を結ばなければなりません。ケースを開くと、この日のために用意してきたメイフライ系が底をついている…やむなく、去年巻いたライツロイヤルを登板させることにしました。

それまでと異なるパターンに交換すると、数投してみたくなるってのが釣り人の性!? とりあえず目先にある流れにキャストして浮き具合や視認性のチェックです。そして、それは3投目だったでしょうか、突然、大きな飛沫が上がったのです。思いがけないヒット。それも意外と引きが強いじゃないですか。

慎重にランディングすると──25cmのイワナでありました。いやいや、驚きました。こんな所に、こんなのが居るんだ。木々に覆われた薄暗い落ち込みの岩陰なんかが似つかわしいようにも思えるけど、実際に釣れたのは、日川ではさほど多くはない、陽が差し込む平旦な瀬です。目ざとい鳥なんかに最も狙われそうな場所なんだけどなぁ。それにも増す居心地の良さって何だろう?

それはともかく、ある程度のプレッシャーがある川では、先入観にとらわれて一級ポイントばかり狙っていてはいけないということを通感しました。竿抜けの可能性がある場所はどこか、次回からは、そんな観点でも渓相を眺めてみたいと思います。

何の変哲もない浅い瀬からいきなり出た25cmのイワナ
何の変哲もない浅い瀬からいきなり出た25cmのイワナ

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