秋の大型連休の最終日、家人は急なヤボ用が入り、自ら運転して秋山温泉に行くとのこと。用件はお昼過ぎに終わり、夕方には都内のネイルサロンを予約しているので、とんぼ返りする予定なんだとか。それを聞いたのは、前日の火曜日のことでした。
なぬっ、秋山温泉? それって、もしかして上野原じゃないの? その瞬間、にわか釣行計画を思い付きました。
あのさ〜、ついでに乗っけてってくれない? でもって、とある川の近くで降ろして、用事が事終わったら同じ場所にピックアップに来てくれると嬉しいんだけど。ねぇねぇねぇ…。
自宅からの往復の運転、ランチのおごり、夕食の準備を買って出て、半ばゴリ押しで交渉成立。おそらく数時間しか釣りができないけれど、好天の下でロッドを振れるだけで、良しとしましょ。
で当日。いくら渋滞しても8時に調布ICに乗れば余裕と言っていた家人を明け方にゆすり起こし、彼女が正常な思考回路を働かせる前に助手席に押し込むことに成功しました。「現地に着いたら起こすから、ゆっくり寝てていいよ〜」。
中央道はそれほどの渋滞もなく、あっという間に上野原IC。デイリーヤマザキでサンドイッチ&コーヒーを調達して朝食をとったのは8時のことでした。やっと正気に戻ってきた家人は呆れ顔でしたが、幸いにも爽やかな秋晴れとあって、待ち合わせまでの間はドライブを楽しむとのこと。
釣り支度を整えた後、ゆずりはら青少年自然の里で降ろしてもらい、12:30には再び迎えに来てもらう約束をしてお別れ。「もしクルマが現れなかったら、その恰好のままどうにかして家まで帰ってきてね」と笑みを浮かべて言い残していった台詞が、妙に引っかかるけど…、
──さて、正味3時間ほどの鶴川での釣りタイム。今シーズンも何度か来たその場所は、先行者の姿こそありませんが、川のほとりは足跡だらけ。きっと連休中に多くの釣り人が入ったんでしょうね。ゆっくりと深呼吸してから、いつもより少し水量が増している流れに足を踏み出しました。
で、肝心な釣りはというと…2日前に鹿留川に行った時と、ほぼ変わらない展開が続きました。それっぽいポイントにフライを流せば反応はあるものの、なかなか喰わない。たまにフッキングしたと思えば、15cmほどの幼魚ばかりってな塩梅です。
心ときめくようなことがまったく起こらないまま、ズルズルと時間が過ぎていきます。6匹ほどのチビヤマメに相手をしてもらったところで腕時計に目をやると、正午ちょっと前。残念ながらタイムアップです。最初の1匹だけ写真撮影のバックとしてランディングネットを水につけたけど、本来の目的でそれを必要とするような釣果には巡り会えませんでした。
入渓点まで戻って、竿やリールを片付けると、約束の12:30。家人から放置プレーを食らうのではという一抹の不安も杞憂に終わり、ほぼ定刻通りに迎えに来てくれました。よかった、よかった。
お昼は、隠れた名店?の「支那そば桂山」の行列に並んでワンタンメン。後味を引くまま乗った中央道は、渋滞もほどほどで、14時半には自宅にたどり着くことができました。
たった3時間ほどだったけれど、チビしか出なかったけれど、その割にはフライをたくさんロスしたけれど、やっぱり青空の下で釣りをするって気持ちがよい! おかげで今週も(って木金の2日間だけか)仕事に打ち込む英気を養うことができました。