ウェーディングシューズのフェルトソールが磨り減ってしまい、自分で張替えを試みた件については先のエントリーで紹介しました。丁寧に作業したつもりではありますが、なんせ初めてやったことなので、すぐに剥がれてしまうのではという一抹の不安も残しています。
釣行先で靴のトラブルがあると一日が台無しになってしまうので、しばらくはスペアをクルマに積んでおいた方が安心かも。確か、随分前に使っていた秀山荘オリジナル「ClimbZone」があったような…。納戸の奥から引きずりだしてみたら、こちらもソールがヘタっていて役立ちそうもありません。だめじゃこりゃ。
よい機会ととらえ、サブ用のウェーディングシューズを新調することにしました。前々から興味を持っていたのがラバーソールです。もっとも、誰に聞いても「ヌルやコケでは滑るよ」とのこと。釣友ブッダくんも以前、アクアステルス(FiveTen社が開発、後にアディダスが買収)のを履いていたかれど、今はもっぱらフェルトソールばかりを常用しているようです。
とはいえ、一度は自分で試してみたいとの思いも。グリップ力はフェルトに及ばないにせよ、吸水性がない故の軽さや、耐久性の良さなど、一般に言われるメリットもあるはずで、すべては体感しないと納得できないですからね(お買い物の自己正当化という説もありますが…)。サブと割り切れば、ラバーを選択してもよいのじゃなかろうか。
という訳でショップに赴き、買っちゃいました。ブツは「minimalist Rシューズ」。アウトドアシーンでのUL(ウルトラライト)志向のトレンドを受けて、ティムコが最軽量シリーズとして展開する「airlista」ブランドラインのウェーディングシューズです(ラバーソールの開発ストーリーについては、同社の社員ブログに詳細が記されています)。
ソールに目をやると、細かく並行した波型スリットが特徴的。昭和40年男の自分としては、学生時代に履いていたトップサイダーのデッキシューズを彷彿とさせます。考えてみれば、デッキシューズも水濡れ前提の船の甲板で使うのが目的であり、あのソールパターン(いわゆるスペリーソール)は、排水性や屈曲性のバランスが良いんでしょうね。
先日、鶴川に出かけた時に渓流で使ってみました。クイックジップに慣れてしまっていたんで、シューズを履くって意外と面倒です。特にこのモデルは、履き口の小さなネオプレン製のインナーに足を通さなければならないので、ちょっと時間がかかりますね。で、いざ履いてみると、467グラム(カタログ値)というのは驚きの軽さ。これまで、どっしりずっしり系を多用していたので、とても新鮮に感じます。
で、肝心のグリップ力はどうかというと…擦り減って堅くなったフェルトソールから履き替えた感覚でいうと、それに引けを取ることは全くありません。「滑るよ」と散々言われていたからか、思っていた以上に踏ん張りが効く。ズルっといっても、足元が軽やかな分、体勢の立て直しが早く、かえって安全に動き回れるという印象です。
いかにも滑りそうな苔付きの石などでは、エッジを立てようとせずに、ソール全体の“面”が接するように心がけた方がよいみたい。まぁ、使っているうちに体が慣れてきて、グリップが効きそうなところに自然に足を運ぶようになるし、これは滑るかもってな感触もすぐにつかめるようになります。
ガレ場や草付きの斜面では本領発揮。過日も釣り上がっていて“通らず”に突き当たり、やむなく急な崖を林道まで上がる羽目になりました。こんな時は、軽いことや、ソールが柔軟に曲がることが、行動力を高めてくれます。源流とは言わないまでも、中〜上流域の渓流での釣りが多いので重宝しそう。まだ一箇所でしか試していませんが、自分には十分快適に使えそうなシューズです。
そういえば今期になって、同じソールを使ったローカットのサンダルモデル「UL Water Sndals」も発売になったんですよね。こちらは夏場のウェットウェーディングにうってつけな感じ。また一つ、私のウィッシュリストに加わりそうです。