普段、子どもたちが乗っている方の小型車のバンパーにかなり目立つ擦り傷がついてしまい、知り合いの業者に修理に出すこととなりました。家人がクルマを持ち込んだ所、代車にと渡されたのが、何故だか左ハンドルのオープンツーシータースポーツ。7年落ちだけど調子よいから週末にでも乗り回しておいで、と言われたんだとか。
その進言通りに、土曜日に2人で出かけたのが上野原の秋山温泉です。往路は相模湖ICで下りて、山道をしばしドライブ。背中から心地よい水平対向エンジンの音が響きます。ちなみに私は終始助手席。オープンカーに乗るのなんて、遠い昔に友人のユーノスロードスターで遊んで以来のことで、とても新鮮です。あっという間に目的地に着いたけれど、もともとクルマ好きの家人はまだまだ運転を楽しみたそうな顔をしています。
そうでしょ、そうでしょ。最初からそう読んでいて、当方は、あわよくば近くの川で1時間でもいいから釣りをしようと企んでいたのでした。もっとも、その代車には収納スペースなどほとんどなかったので、積んできたのはロッドやフラケースなど最小限のものだけ。ウェーダーはありません。
最初は秋山川をちょこっと眺めたけれど、今ひとつな感じ。結局は、スニーカーでも川辺に立てる場所に心当たりのある鶴川へ向かいました。ゆずりはら青少年の里の近くにクルマを駐めて、ちょこっと歩いた先の川へ。
家人が横で見ている中で釣りをするのは初めてかも!? 何か調子が狂うけど、それっぽいポイントにキャストし続けていると…お、出た! 20cmほどのヤマメであります。その後、ちょっとだけ上流に場所を変えると、そこでも似たようなサイズがかかりました。
「私にもやらせてよ」というので、冗談めかして「もし釣れたら、あの代車を買ってプレゼントしてあげるよ」と言いながらロッドを手渡しました。それほど甘いもんじゃありませんよ。彼女がフライをやるのは初めてのこと。見よう見まねでロッドを振っているけれど、はやりラインはうまく伸びません。
それでも何回かやっているうちに要領を飲み込んだようで5mくらいは飛ぶようになりました。しかしながら、水面が弾けることは起きず、やがて諦めもついたようです。じゃあ、そろそろ川を上がって温泉に向かうとしますか…。ロッドを受け取ろうとしたその時、「あれ? 何か針先に付いている!」と妻。よくよく見ると、キーホルダーほどの超チビヤマメがかかってるじゃないですか。どうやら、最後の最後にフライに食いつき、向こう合わせでフッキングしたみたい。
げげげ、釣っちゃったよ。先の約束のことを思い出した私に向かって家人は「あのクルマ、ハンドル重いしエンジンうるさいからいらなーい。その代わり、ちょうと欲しいと思っていたバッグがあるから買ってね」と、ちゃっかりしております。1時間ちょいで2匹(さらに1匹のおまけ付き)に遊んでもらえた釣りは上出来だったけど、思わぬ出費が伴うことになった週末郊外ドライブだったのでした。