家族の都合に合わせた個人的な釣りも含めると、今期はこれまで、3月の第二週を除いて、毎週末の土日どちらかは釣りに出かけていたのでありました。中にはドライブついでに数時間ってこともありましたが、5月までに13回というのは、なかなかのハイペース。
その一方で、平日は終電間際にやっと帰宅することがほとんどで、フライケースは常に品不足という状況に陥っております。でかける前日に必要最小限のものを慌ただしく用意するのが毎度のパターン。手早く巻けて、それなりの耐久性があり、汎用的に使えて、さらには魚の反応もまずまずってのが落ち着き所となります。
そんな都合のよいフライはないものねだりかもしれませんが、ここ最近で見直しているのがエルクヘアカディス(EHC)です。フライを始めた頃はよく使っていた気がするものの、やがてパラシュートを中心としたメイフライやテレストリアル系に移行してしまい、なかなか巻くことが少なくなっておりました。
去年のことだったか、やはり釣行前日に付け焼刃的にフライを準備する必要に迫られ、エルクヘアカディスを5~6本巻いたことがありました。それが翌日に何故だか効き目バツグンで、良型のヤマメに恵まれたのです。そんな出来事があって以来、フライケースに必ず何本かは入れるようにしているし、渓流域での釣り上がりが中心のスタイルにおいては、相応の結果を残してくれるので、個人的な信頼度が上がってきた次第です。
タイイング時の気分次第で、ボディは化繊のダビング材各色にしたりピーコックハールにしたり。CDCやヴェインファイバーをアンダーウィングに入れることもあります。あまり高く浮かせるのは好みじゃないので、ボディハックルの下側は現地でカットすることが多いかな。肝心のエルクヘアのウィングはやや長めを意識しています。
今期になってからは、とにかく量産重視という状況なので、このエルクヘアカディスと、別エントリーに書いたテレストリアル系のパラシュートが、一軍フライケースの大半を占めるようになってきました。川に出向いて最初に結ぶ1本も、これらのどちらかということが最近は続いています。
季節が進んで白泡の下などにも魚が入るようになった昨今、フライに期待する機能の1つは浮力の持続。素人考えである時までは、エルクヘアは中空構造なんだから多く巻き止めるほど浮くもんだと思い込んでおりました。でも、オーバードレッシングだと、自重が増したり、水分を貯め込んだりで、かえって沈みやすくなるんですよね。最近はパラっと薄く巻いて、ドライマジック等のフロータントの力に頼るようにしています。
相性良く感じているからとりあえず結ぶ→そのうちに反応があったり釣れたりする→やっぱりこれだと信頼を寄せる。何かの拍子に、このサイクルに乗っかったフライというのが、その人にとっての定番となるんでしょうね。今期の釣果の7割以上がエルクヘアカディスという状況下、じっくりフライを巻く時間が捻出できないことも手伝って、ここしばらくは他のパターンが入り込む余地はなさそうです。