今期用の自作ランディングネットがほぼ完成し、後は網を括り付けるだけとなりました。今回はクレモナ糸を手編みするのではなく、お魚さんに優しい?リリースネットを装着してみることに。もっとも、ぴったりサイズの市販品が見つからなかったので、こちらも自作にチャレンジです。
さて、材料はどうしよう。洗濯ネットや、スポーツウエアの裏地に使われているような素材で、縫製が楽そうなのがいいんだよなぁ。そう考えながら新宿にある手芸用品大手のオカダヤさんに行ってみました。スタッフさんに相談すると、メッシュ素材を扱っているコーナーを案内いただいたんで、とりあえずは見てみることに。
なるほど、なるほど。イメージしていたものに近い素材が幾つか、反物のように積まれているじゃないですか。実際に手に取って、目の大きさや柔らかさ、色などを確認しながら有力候補を物色します。とその時、「何かお探しですか?」と声をかけられました。手芸とは縁遠そうなオッサンがフロアに佇む姿が目立っていたのかもしれません。
おおよその用途を告げると「要は金魚すくいのポイを大きくしたようなものを作って川魚をすくうんですね? 楽しそう~!!」と彼女。合ってるような合っていないような…。どう返答しようか考えていたら、「こちらならミシンも効いて細工しやすいですし、思い通りのポイになると思いますよ」と、テトロンメッシュと表示のある品をにこやかに手渡してくれたのでした。
少し目が細か過ぎるようにも思いましたが、ミシンOKとのことだし、明るいベージュという色味もなかなか良さげ。何よりも、私が川でヤマメすくいに興じるシーンを想像しているであろう彼女の屈託ない対応にやられてしまい、お買い上げすることにしました。1メートルあたり700円とお手頃価格で、失敗しても痛くないしね。
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こうして材料は揃ったけれど、どういう方法や手順でリリースネットの形にすればいいのだろう? 立体的な丸底になるような展開図もあれこれ考えてみたけれど、自分のミシンの腕からして最初から難しいことに挑むのは無謀に思えます。ここは現実的アプローチ。きちんと仕上がることを優先してシンプルに徹することにしようっと。
ざっくり言えば、長方形を二つ折りにしてサイド2辺を縫い合わせて袋状にし、口の周囲は1センチほど折り返して処理をするっていう線でやってみることにしました。底面に近づくほど細身になるように、台形の頭同士をくっつけたような形を切り出せばいいかーー。型紙を作ることもせず、メッシュ生地にダーマトグラフで線を書き入れ裁ちバサミでジョキジョキやって作業スタートです。
次は縫い合わせ。ミシンに触るのっていつ以来だろう? 家人が子供の幼稚園バッグを作っていた際に、見よう見まねで基本操作を学んだんで、もう20年以上が経っているかな。いろいろと思い出しながら糸のセッティングを終え、まずは端布で試してみます。準備を整えてフットスイッチを踏むと…カタカタという音と共に動き出し、問題なく縫えていることが確認できました。
では、本番。縫い合わせる箇所にマチ針をいくつか打ってずれないようにしておき、ゆっくりとミシンを進めます。ちょっと蛇行しちゃったけど、まぁいいか。とりあえずは袋縫いにして裁ち端を縫い代の中に収めてみました。両サイドの処理を何とか終えると…おお、ちゃんと袋状になっている(当たり前か)。後は、本体フレームと接することとなる開口部の末端の仕上げです。
ハサミで裁断したままになっている生地端を袖を折り返すような要領でクルクルっとやって(7~8mm)、きれいに押しつぶすようにしながらミシンをぐるり一周かけていきます。とまぁ、言うは簡単だけど、これがなかなか難しい作業。私が悪戦苦闘する姿を見かねたのか、家人がやってきて私を追いやり最後の仕上げを引き受けてくれました。こんなんだったら、最初から全部やってもらうのが賢明だったかも!?
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こうして、自家製のリリースネットが仕上がりました。太めのモノフィラを使って本体フレームに括り付けると…シーズン2017用自作ネット(その1)の完成です! 反省点は多々あるけれど、何とか実用にはなりそうなのでよしとしますか。最初の1匹をすくって入魂するのが今から楽しみです。
実は、ちょっと前に開催された「第28回 ハンドクラフト展」(主催:つるや釣具店)に伺った際、またまたグリップ材を調達してしまいました。美しい模様の入った本花梨です。ということで、そのうちに今期2本め(あるいは3本め?)の製作にもチャレンジしたいところですが、なかなか時間がとれないんですよね…。とにもかくにも解禁まであと僅か。まずは釣行の時間を捻出することが最優先課題です。