「楽しそうなのに苦しそうだね」──。竹中直人の“笑いながら怒る人”(古っ!)を思わせるような指摘を家人から受けました。自宅で喜々としてタイイングしている際、どうやら無意識のうちに「しかめっ面」になっているらしい。老眼が進んでバイスの先端あたりを凝視するのが辛いのは確かなんだけど、表情を歪めているとまでは思わなんだ。
そんな私を哀れんでか、家人が「ハズキルーペ」をプレゼントしてくれました。ひところ、石坂浩二氏を起用した広告が盛んだったし、通販番組などでもよく取り上げられていたので、目にしたことのある方も多いのではないかと推察します。
要はメガネのような形をした拡大鏡。かつて、ヘッドマウント型で狭視野&高倍率の双眼ルーペを持っていたことがありますが、これは腕時計の修理とか、チョウの鱗粉観察とか、ちょっと特殊な用途に向いた(でしか使えない?)ものでした。それに対してハズキルーペは、視野が広いし、目から30~40cm前後にあるものが程よく大きくクリアに見えます。つまりは、老眼鏡としての性能に秀でているのです。
レンズの大きさは大中小の3種類(ラージ/コンパクト/クールハズキ)、倍率が2種類(1.6倍/1.32倍)、ブルーライトカット率2種類(35%/55%)、フレームカラー4種類(黒/赤/紫/白)というバリエーションがあって、私が手にしたのは「フレームが黒で、1.6倍のクリアレンズを装着した中型」です。常用メガネの上にハズキを重ねがけすると具合が良いことを考えると、ラージでもよかった気もしますが、進呈いただいた立場としは贅沢は言えない…。もちろん、「コンパクト」でも、グラス・オン・グラスに支障はありません。
それにしても、家人は何故にハズキルーペに注目したのだろう? ちょっと気になって聞いてみたら、今年の「ハンドクラフト展」に同行した際、ティムコのコーナーでタイイングデモを披露していた嶋崎了さんが着用しているのを見て、気に留めていたんだとか。私なんぞ氏が巻くフライばかり目ていたけど、女性の着眼点って違うもんですな。とにもかくにも、日頃から強要しない範囲で釣り関連の催しに一緒に出かけていると、たまには良いこともあるもんだなぁと思った次第。もし今後、バンブーロッドビルダーの集まりなんかがあったら、積極的に連れ出しておかなければ…!?
ハズキルーペを実際にタイイングに使ってみた感想は…「Very Good!!」。手元が一回り大きくピントバッチリで見えるのって心地よいですね。あとは、かねてから懸案になっているデスクライトを導入すれば、より快適になるんじゃないだろうか。拙宅のタイイング環境向上委員会は、少しずつ前進しているのでありました。