時合の不思議

日曜日にメンバー4人で鹿留川に行って来ました。往路は渋滞もなく快適なドライブで、8時前には現地到着。丸一日、心置きなく釣りに興じられるので気分も晴れやかなのでありました。

予報通りに好天に恵まれ、日中は気温がぐんぐんと急上昇。アウターシェルなど不要で、上半身はTシャツ+長袖シャツで十分なほどです。照り返しも強烈で、頰がピリピリするのが分かります。

最初に入ったのが支流の小さな沢。もう少し季節が進んで白泡の下にも魚が入るようになると面白くなる場所なんですが、やはり時期尚早だったみたい。このエリアではごく限られた、“底石が入ったフラットでストレートな流れ”でのみ、小型のヤマメが相手をしてくれるのでした。

早々に見切りをつけて、本筋の中上流域へ。こちらも川岸から木々が張り出していますが、先の枝沢に比べればロッドの振りやすさは雲泥の差です。陽気に誘われたのか、カゲロウやカワゲラなどの川虫がいつも以上に羽化しており周囲は賑やか。うまくいかずに水面でもがくのもいて、フライにはもってこいの状況にも思えます。さて、今日はどんな展開でしょう?

この日はカゲロウやカワゲラの羽化が活発でした

──ご馳走が次々に流れてくるためかお魚さんたちの活性は高く、要所要所でドライフライに出てきます。もっとも、上手く咥えられずにフライをかすめるやつも目立ち、まるでファールチップを重ねる浮き足立ったバッターみたい。こちらのキャストが下手ということが多分にあるのだと思いますが、釣りたいこちらと喰いたいあちら、互いのタイミングがピッタリ合わないとフッキングしません。

そんなハッピータイムは長くは続かず、先ほどまでが嘘だったように静まり返る時間帯が訪れます。そしてまた思い出したように一斉に捕食スイッチが入るもお祭り騒ぎは束の間…。トン・ツー・トン・ツーという、川の女神の気まぐれなモールス信号に翻弄されるのでした。実際には、いろんな要因が絡み合って“時合”ってのを作り出すんでしょうけど、それを先読みするなどできません。自然界の不思議をまた目の当たりにしたのでした。

高活性の時間帯には同じポイントで何匹もフライにアタックしてきました

この日は着水直後に出ることは稀で、長くゆっくりとフライを見せてようやく水面が割れるというパターンが多かったかな。総じて、オーソドックスなパラシュートへの反応が良かったのは、やはりカゲロウのハッチが盛んだったからでしょうか。

もっぱらの課題はサイズアップ。結局のところ、心躍る引きは味わえずじまいでした。同じくフライで臨んだ釣友が23cm(体高があるので、それ以上に見える)のヤマメをかけたことから、そしてこれまでの実績からも、そこそこの体躯の魚が潜んでいるのは間違いないのです。どうやったら8寸超えを引き出せるのか。悩める藤四郎の試行錯誤が続きます。

私の相手をしてくれるのは、こんなサイズばかり

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です