冷蔵庫がダメになった矢先に電子レンジも壊れる。デジカメが不調をきたしたそばからPCのディスクも異音を響かせ始める…。日常生活の中で、関連する品々の寿命がシンクロするなんて話をよく耳にします。
私の場合は、釣り道具でそんなことが起こりがち。シューズがボロボロになって買い替えたタイミングで、ウェーダーもそろそろ限界が近づいてきました。
メインで着用してきたのはAquazの防水ZIPウェーダー「DRYZIP chest wader」。グラベルガードの部分の損傷が激しくなり、ここのところは水漏れも起こし始めたんですよね。購入したのは確か2014年の春先のこと。丸々3シーズンが経過しているので、やむなしでしょうか。
──ということで買い替えることにしました。毎度のことながら、サンスイ池袋店に伺ってご相談です。事前に何社かのカタログを参照しておいて、ひとまずはSimmsかPatagoniaあたりを選択肢としました。
Simmsで候補としたのは、G3 Guide StockingfootとHeadwaters Pro Stockingfootの2種類。店頭在庫を伺ってみると、後者は今季新製品ということもあって入荷待ちらしい。G3は全サイズあるとのことなので、まずはこちらを試着です。
スタッフ氏の見立てでJL(ジャパンサイズのL)を着用してみたら…うん、ぴったり。これまで常用していたのがフロントジップタイプだったので、それに比べると身に付けるのにやや手間取っちゃうな。まぁ、慣れの問題でしょう。
177センチ61キロと、どちらかというと華奢な体型なので、チェストハイのウェーダーを選ぶ際には、ベルトから上の部分のダブつき具合がチェックポイント。その点、G3は全体的にスリムに仕上げられているので気になりません。これは好印象です。
Simmsが多くのアングラーに支持されている背景には、次々と寄せられる要望に応えて改良を重ねてきた歴史があるのでしょう。細部の作りがしっかりしていて、何と言いますか、ウェーダーとしての完成度の高さが感じられます。
「体を動かしてみてのフィット感、GORE-TEX(3&5レイヤー)ならではの透湿性など、製品のクオリティや耐久性、アフターサポートの良さといったものを含めたトータル性能で言えば、やはり今でもSimmsには一日の長がありますよ」とはスタッフ氏の弁。
言われてみれば、随分前に手にしたSimmsのウェストハイのウェーダー(Headwaters Pants)は、ネオプレンのグラベルガードこそ傷んできたけれど引退させるまでには至らず、夏の暑い盛りには今でも引っ張り出すことがあるもんね。“当たり”を引いたのかもしれませんが、寿命の長さは実感できます。
Patagoniaに関しては、フロントジップのRio Gallegos Wadersに目をつけていたんだけど、こちらは店頭在庫なし。他にRio Azul Wadersがあったものの、意中になかったものを改めて試着して、あれこれチェックするのはちと億劫か。一方では、定番(=Simms)とは一味違ったものを、という思いもあって悩ましい…。さて、どうしよ。
そんな折、常連と思しき白髪の御仁が「Simmsはやっぱりいいぞ。自分もそうだし周りの爺さん仲間も皆、満足してるから」と声をかけてきました。最初は?と思ったけど、G3を「じー・さん」って読んだんですね。それはさておき、実際のユーザーの声を聞いて、背中が押されました。他のアングラーとかぶる確率も高いんだろうなぁと頭によぎったけれど、巷の評判を信じて、我が5代目のメインウェーダーはG3に決定することにしました。
早速、翌日の鹿留川釣行で現場デビューさせました。さすがに初日は藪漕ぎや岩場ごえの時に多少は気を遣ったけど、がさつな性格なんで、そんな丁寧な扱いが長続きするわけがありません。ガシガシ使ってこそ道具の味が出る! 自分が爺さん呼ばわりされる前に、こいつが擦り減って使えなくなるよう酷使しようと思います。