先の日曜は父の日なるもの。その数日前には誕生日を迎えたこともあって、息子と娘からプレゼントの計らいがありました。世間的にはネクタイやシャツなどのビジネスアイテムが定番のようでもありますが、かしこまった出で立ちとは縁遠い生活をしていることもあり、必然的に「釣りで役立ちそうなもの」に落ち着いたようです。
で、頂いた品とは…「熊鈴」でありました。それも前々から気になっていたハリキ産業さん謹製の「Bear Bell」(昨秋にラインナップに加わった革紐タイプ)です。すでに社会人となり、自身もキャンプなどのアウトドアに傾倒している長男がセレクトしたみたい。今年のハンドクラフト展(主催:つるや釣具店)で実物を見て欲しいと思っていただけに、これほど嬉しい贈り物はありません。
ここんとこ全国各地でクマの目撃情報や被害が相次いでいるし、よく行く鹿留川の支流近くでも昨年には人が襲われる惨事がありました。単独で沢に入ることも間々あるので、万全の注意を払わなくてはなりません。
もちろん、これまでも熊鈴は使っていましたが、どれもさほど存在感ある音がせず、瀬音にかき消されている気がしていたんですよね。もう少し通りの良い音を発するものはないだろうか…。そんな観点であれこれ探していたら、山や川でアクティブに過ごされている人々に支持されているハリキの熊鈴にたどり着き、興味を持っていた次第です。
ハリキさんといえば、バンブーロッドの継ぎに使われるフェルールや、リールを固定するポケット&リングをはじめ、その精度高い金属加工に定評があります。でもって件のBear Bell。造形も音色もその美しさは推して知るべしで、真鍮製の本体からは濁りのない高音が響き渡ります。
この音色をどう表現すらばよいのだろう。高級な風鈴? いやいや、仏壇のおりんの音をもう少し高くした感じかな? 余韻ある金属音などが、野生のクマを追いやるのにどれほど役立つかは私にはわかりません。先方も思わず厳かな気持ちになって悪戯を慎むってなことはないにせよ、人間の存在を察知して距離を置く効果はあると信じたいところです。
釣りという楽しみを長く続けるためにも、とにかくと安全第一を考えなくてはなりません。Bear Bellを家族の思いが詰まったお守りとして、慎重な行動を心がけたいと思います。