イワナ号発進!

これまで釣行の足として酷使してきたのは、Peugeot 307 SWというワゴンタイプのクルマです。クイっと曲がる足回りや、ロングドライブでも疲れにくいシートなど、それなりに気に入って乗り回していました。

しかしながら、走行距離が60、000kmを超えて細部にガタを感じ始めたのに加え、来年1月の車検の際にはタイミングベルトの交換など大掛かりなことになりそうなことから、買い替えを検討することにしました。

普段の街乗りを重視したもう1台の小型車はまだ初回車検を迎えておらず、しばらく変更の予定もないので、自ずとこれとのバランスを考慮することとなります。個人的には、ジムニーの3インチリフトアップ&大径タイヤなんかが気分ではありますが、残る家族3人とも「そんなの運転したくないし小さいのが2台あってもしょうがないでしょ?」とあえなく玉砕。まぁ、致し方ありません。

これまで酷使してきたPeugeot 307 SW

条件としては、

  • ある程度の大きさがあり荷物もそこそこ積めること
  • 運転者にも搭乗者にも快適でドライブを楽しめること
  • 内外装とも一定の落ち着きがあり飽きにくいこと
  • 燃費などが良くランニングコストが抑えられること
  • 万人受けより個性重視で街中で頻繁に見かけないこと

などが挙がりました。

四輪駆動で最低地上高に余裕があること、という私の希望はここでも却下されることに。我が家のパワーバランス上、野趣あふれる雰囲気は疎んじられ、あくまで街並に溶け込むことが優先されてしまうのです。「釣りに出かける時、これまでのクルマで困ったことある?」と問われれば、返す言葉がありません。

窓際に佇んでいたスナフキンもお引っ越しさせなければ…

この夏にかけてはもっぱら情報収集で、ディーラー数社にも足を運びました。興味を覚えたクルマは総じてよくできていて、手に入れてしまえば、どれも満足して愛着が湧きそうでもあります。ただ、「街中で頻繁に見かけない」というのは、なかなかの難題。先に挙げた条件を満たすような総合評価の高い車種ってのは販売台数も多く、実際、いくつか絞り込んだ候補が既にご近所さんのガレージに並んでいたりしました。

あーでもないこーでもないと家族と議論しながら最終的に選んだのは…Peugeot 308 SW。結局のところ、同じメーカーの後継モデルとなりました。T-9(2013年に公表された308の第二世代)からは、それまでのファニーフェイスというより少しドイツ車っぽい顔立ちになり、サイズも大型化したけれど、どこかクセと艶のある全体の雰囲気は悪くありません。

T-9(2013年~)でプラットフォームを一新、昨年からは新エンジンBlue HDiも載りました

2016年から国内市場にも投入されたBlue HDiというクリーンディーゼルの性能バランスや燃費の良さ、オデッセイ→307SWと慣れ親しんできたパノラミックルーフが選べること、何よりも交差点で同じクルマが隣に並ぶことがまず無いという絶対数の少なさが評価点を稼ぐこととなった次第です。これまでの付き合いからディーラーとの価格交渉がしやすかったことも有利にはたらいたかな。

クリーンディーゼルとは言いながら、VWの不正に端を発して環境性能で信頼を失墜した感のあるディーゼルエンジン。フランスは、CO2の削減に向けて2040年までにエンジン車の生産・販売を禁止するといち早く表明し、英国も追随。最近はドイツまでもが同様の施策を示唆し始めてます。

有言実行となるかは何とも言えないけれど、(CO2を発生しない)原子力発電が盛んなフランスはEVシフトを加速させやすお国柄かもしれません。自動車産業の規模もドイツに比べれば小さいですしね。 内燃エンジン、とりわけディーゼルを搭載したフランス車がこれ以上は進化しないととらえるならば、その最後の産物に乗ってみるのも悪くないかななんて考えました。

そんなことはともかく、商談時点で日本向けの船便にすでに載っていたパールホワイトという色を選んだこともあり、1カ月とかからないスピード納車で我が家のガレージへやってきました。ちなみに、密かに自分の願望を押し通したのが「1875」というナンバーの取得。表向きには“I wanna go”の語呂合わせだよと説明しつつも、内実は“イワナ号”なのであります。

希望ナンバーとして取得した「1875」(イワナ号)

残りわずかとなった今季を振り返ると、新規開拓することなく馴染みの川ばかりに通う結果となりました。来期こそは、無垢な源流イワナを求めて? 新たな愛車であちこち出かけようと思います。いやいや、その前に9月のラストスパートを頑張るとしますか。

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