土曜日に上野村へ行ってきました。 藤岡JCTから上信越自動車道に入って下仁田インターに向かう道すがら、あたり一帯はつい先ほどまで雨が降っていたためなのか、とても綺麗な虹がかかっておりました。
県道45号を走って山奥に向かうほど、周囲の紅葉がどんどんと見事になっていきます。雨上がりで空気が澄んでいるのに加えて、柔らかい朝陽が射し込むタイミングとあって、絵に描いたような秋の風景。独りドライブにはもったいない展開が続きます。
ふれあい館に到着したのは8時過ぎで、現地集合した釣友I氏はすでに到着済み。早々に釣り支度を整え、受付を済ませてから川へ下り立ちます。なぜだか今日は釣り人が少ない気がするなぁ。
──秋晴れの中での釣りはサイコ〜と言いたいところだったのですが、現実はなかなか厳しいものがありました。先の台風2連発の影響か、前に来た時には深みだったポイントがすっかり土砂に埋まっております。当時はかなりの濁流になったんでしょうね。マス達は流されずに居残っているだろうか…。
運転していた時には気に留めなかったのだけど、外はすごい風が吹いていたのも気がかりでした。「今日はさらに北風が強まるからフライは苦戦しますよ」とは漁協の方の弁。突風が弱まるタイミングをはかってキャストしないとラインが空中で押し戻されそうです。
その風は水面を波立たせるだけでなく、一帯の木の葉を谷に集めているようでもありました。風の強まりと共に、川に流れる枯れ葉の量が徐々に増えていくのが分かります。最初は水面だけだったものが、やがて流れに揉まれて水中を漂うものも目立ってきました。川の中は、さしずめ振り回した直後のスノードームのように、色とりどりの落ち葉が舞っているに違いありません。
そんな状況下、私のように腕が立たないアングラーは歯も立ちません。ドライ、ニンフ、ソフトハックル…何を投じても釣れてくるのは葉っぱだけ。One cast, one leaf. マスの定位場所を読みきれず、魚信は一向に近づく気配を見せません。
風に翻弄されて思い通りにキャストできない、フライにまとわり付く落ち葉の処理に業を煮やす、 こまめに攻め手を変える気が起きない…。集中力が切れた結果、雑な釣りが前面に出てしまい、悪循環は加速する一方です。ハコスチリベンジの気力は早々に失せ、惰性でキャストするのにも疲れて納竿に至りました。
結局のところ、入渓間もない頃にフックアウトした一匹が唯一の手応えで、他にはニンフィングのインジケータに出たチビヤマメを2回見たぐらいで終わってしまいました。この日は全体的に渋かったとはいえ、中には釣果にたどり着いたアングラーの姿も。どんなシチュエーションでも丁寧な釣りができる人に女神は微笑むようです。
午前はテンカラ、午後はルアーで臨んだ釣友は、最後の最後に大物を掛けたもののジャンプ一発でラインを切られ天を仰ぐことに。2人して最初の一匹の壁が厚いことを痛感して帰路についたのでありました。次の日曜には再放流があるようだけど、いろいろと予定が立て込んでしまい、今年の上野村詣ではもう叶いそうにありません。