太極拳を始める

筋力アップとまではいかなくても、最低限の健康維持のために日頃から積極的に運動しなければ…。分かってはいるんだけど、毎日の習慣というレベルには至りません。フィットネスクラブやボルダリングジムに入会すれば元を取ろうと頑張れるだろうか? いやいや、現実は時間の捻出が思いのほか難しく、やがて幽霊会員になることが目に見えています。

自分の生活パターンからすれば、隙間時間を活かせるちょっとしたエクササイズが向いているんだよなぁ。ノルディックウォーキングは今でもたまにやるけれど、ある程度の時間を費やさないと有酸素運動にならないので、結局は休日限定のトレーニングになってしまいます。

もっと手軽に楽しめるものはないだろうか。ラジオ体操なんか割と良さげに思うものの、もう少し新鮮さが欲しい…。そんな観点で興味を覚えたのが太極拳です。早朝の公園などで愛好家が集って、ゆったりとしたパフォーマンスを演じているあれですね。

太極拳と一口に言っても幾つもの流派があって奥深いもののようです。初心者にとって敷居が低そうなのが、最大公約数的な所作を取り入れた「簡化24式太極拳」と呼ばれる基本ルーティン。その名の通り、24種類の動きを通じて心身を鍛錬しようというものです。所要時間は6〜7分っていったところでしょうか。ラジオ体操も第一と第二それぞれに13の動きがあって6〜7分なので、フレームワークは似ているのかも!?

もっとも、子供の頃から親しんだラジオ体操とは違って、太極拳の動きは独特で取っ付きにくいことは否めません。教室に通って講師から直接教わるのが近道なのでしょうが、その時間もなかった私は、とりあえず入門用書籍に付属しているDVDを参考にすることから始めてみました。

書店に行くと、色々な本が並んでいます

さらに、YouTubeで「太極拳」や「Tai Chi」といったキーワードで検索すれば、第一人者の演武が豊富にヒットします。前面のみならず背面からのカットもあったりして親切この上なし。多くの演者の微妙に異なる所作をつぶさに観察すると共通項が見えてきて、大いに参考になります。

こうして表面的な動きを何とか体得しても、それは太極拳のほんの入口。体軸の維持や合理的な重心移動、各部位の協調やバランス、さらには“気”の意識といったことになると独学には限界があり、はやり師範の教えを請いたくなります。それはまぁ、来年の課題かな。

インターネット上には、参考になる動画もたくさんアップされています

究極は“動く瞑想”とも言われる太極拳。そんな域には到底たどり着けませんが、せめて心を落ち着かせて臨もうと目を閉じると、何故か脳裏には川の流れが映し出され、4番目の「左右搂膝拗步」という套路では、腕がどこかキャスティングに似た動きになってしまいます。こんな邪念が入り込む限りは進歩できないんだろうなぁ。

いっそのこと、誰かフライキャスティングを活かした短時間エクセサイズでも考案してくれないかな。「腕を大きく振り上げてオーバーヘッドキャストから〜」…中略…「肩甲骨の動きを意識してランディングネットを外しましょう」「魚を流れに戻したら直立姿勢に戻り深呼吸です」ってな感じで。

テーマ曲はもちろんこれ。「♪新しい朝が来た 希望の朝だ 喜びに胸を開け 大空あおげ (ラジオの声に) 健やかな胸をこの香る風に 開けよそれ 一 二 三」 。よくよく歌詞を噛みしめると、早朝の川岸に立つ時にふさわしい内容なんですね。ちと再発見。

ってなことで脱線してしまったけれど、暴飲暴食が続きがちな年末年始を前に、自戒を込めて健康増進ネタを書いてみました。

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