広くフラットな流れでシビアなライズに対峙するような釣りは、ほとんど経験がありません。そうした釣り場の情報に疎く、周りにハッチマッチに傾倒している仲間もいない…。一回でもやってみれば新たな扉が開いてハマる気もしますが、これというきっかけがないままに今日に至っております。
ということで、シーズン中は◯◯の一つ覚えよろしく、川幅狭い渓流域での叩き上がりに終始しちゃうんですね。フライはといえば、比較的丈夫で量産しやすく、そこそこの反応が得られるものを重視するため、ボックスにはEHCや平凡なパラシュートの類ばかりが並ぶことになります。型にはハマっちゃっているけれど、その中ではさして困らないって感じです。
最近ではニンフも巻かなくなっちゃったかな。解禁当初の厳寒期など、水中戦を試みれば釣果の期待値が上がるようにも思うけれど、慣れないシステムではトラブルも多発。数撃ちゃ当たる?的な発想で、足で距離を稼ぎながらドライを投げ続けていると、稀に殊勝な魚が相手をしてくれるので始末が悪い。FFの愉しみを自ら狭めていることは分かっているんだけど、殻はなかなか破れません。
たまには各種のユスリカなど極小パターンを巻いてみれば目先が変わるだろうか──。で、いざバイスを前にすると「ミッジなんて使わないよなぁ。貴重な時間を現実的なタイイングに充てないと、いつまで経っても慢性的な弾不足から解消されないぞ」という考えが幅を効かせて、結局はいつもの繰り返しです。
先週あたりから重い腰を上げてタイイングを始めましたが、やはり手が伸びるフックは、シーズン通して重宝する14番前後のもの。毎度のEHCなんかを黙々と巻いていると、やがて内職のような雰囲気が漂ってきてトーンダウン必至。せめてもの気分転換ということで、個人的には小さい部類に入る18-20番のフックを買ってきたけれど…フライパターンが一緒だと今ひとつ刺激が足りないことが分かりました。
関東近郊の多くの川では解禁まで残すところ1カ月。そろそろ気合を入れてフライの大量生産にかからなければなりません。ミッジとまではいかなくても小さめの汎用フライ、たまにはたクリップルやスパークルダンといった自分なりの“変化球”を織り交ぜて鼓舞しながら、今日もラフな流れを釣り上がるための実弾をせっせと巻きたいと思います。