被りモノが相変わらず好きなのであります。ファッション性うんぬんよりも、釣りのシーンにおいて、ウェーディングシューズの紐や背中のランディングネットを見事にフッキングさせる腕前の持ち主としては、頭部を守る意味でも欠かせません。
一方、眼のマクロ域でのオートフォーカス機能が劣化してきた身にとって、拡大鏡(シニアレンズ?)は釣りに欠かせぬアイテムです。中でも最近のお気に入りは「FlipFocal」。帽子のツバにしっかり固定できる機構や、水平方向のレンズ幅が狭く様々な形の帽子にフィットしやすい点がグッドなのです。
そんなFlipFocalですが、ハンチング帽については、その構造上から取り付けられないという先入観を持っておりました。天井布の前端がツバの縁にしっかり縫いつけられていて、固定クリップを挟み込む余地がないためです。モナコやアイビー、キャスケットなど、広義でハンチングの範疇に入るタイプは、すべからくツバの上に布地を被せて縁を縫ってありますもんね。
でも待てよ。縁かがりの糸さえ無ければい取り付けられるんだよね? じゃ、切っちゃえばいいじゃん…。という訳で、カッターを持ち出しました。一連のかがり糸のうち、ツバのトップ部分をカット。できた隙間にFlipFocalのクリップ部を差し込めば…はい、できあがり。糸がすべて解けてしまうのを防ぐために、意図的に作った隙間の両端は瞬間接着剤で補強しておきます。これでハンチングでも快適に釣りができちゃいます。
悦に入って、別のハンチングにも同様の細工を施した後で、先のハンチングからFlipFocalを取り外したところ…。ん? クリップを差し込んでいた隙間が上下方向に広がって元に戻らず、妙に目立つじゃないですか! そうなんです。帽子の素材によっては、糸を切ったところが“虫歯”のように目についてしまいます。なので、タウンユースと兼ねてハンチングを使う方は要注意。かくいう私は先週末、FlipFocal付けっ放しで街に繰り出しました。だって、電車で本を読む時なんかとても便利なんだもん。ちなみに、家人はその車中、私から距離をおいて座っていたことを付記しておきます。