人は、何事かに没頭すると周囲の風景の中に“独自の世界”が見えるものらしい…。名付けて熱中性幻想シンドローム? 「人は」なんて書いて一般化してみたものの、もしかしたら自分だけかな?
ずいぶん前、携帯ゲームのテトリスにどっぷり浸かっていた頃には、「浴室のタイル張り」や「高層ビルの窓」の配列の中に、テトリスのブロックが浮き出るように見えたものです。
──「あっちを左隅に追いやって、こっちを右90度回転させて落とせば2段消し!」
3年ほど前にはボウリングがマイブームとなりました。「オフィスの廊下」や「駅のホーム」などあちこちにレーンが。
──「今日はオイルが厚いから、板1枚左から投げないと10番ピンが残っちゃうかなぁ」
そして今は渓流釣りです。道路にある「マンホールの蓋」や「雨後の水たまり」が絶好のポイントに思えてきます。
──「あそこで食わせるには、少し上流側に逆U字に落とすんだよなぁ。もう少し近づいとくか…」
ここまでくると病的な感じがする一方で、何事もイメージトレーニング(自己暗示?)が大切だと思ったり。己のキャスティング能力(の低さ)に照らして立ち位置を考える上では、実際に役立っているような気もしてます。と自己正当化。
それにしても脳裏に出現する清流はまさにパラダイス。ここぞという所で、いいサイズが必ずドライに出てくるんです。
街中で不自然に足を止め、右腕を前後に振っている怪しい人物を見かけたなら…それはきっと私です。不気味がらずに是非お声がけください。