往年のソロクッカー

野遊びのお供として、最初に手に入れたソロクッカーは何だろう? まだ高校生だった頃、ワンゲル部にいた年上の従兄弟に飯盒をもらったり、軍払い下げの店でメスキットを買ったりした記憶はあるものの、ついぞ使わなかったような…。

本来の目的通りにきちんと野外料理をした品となると、「EPIgas」(ユニバーサルトレーディング)の「クライマーズクッカーW」が最初のような気がします。以前のエントリーで触れたプリムスのIP-2243とセットで使うことが多かったので、かれこれ15年以上も前の話。そうそう、神保町のさかいやスポーツで買ったんですよ。

モノは極めてシンプル。アルミ製の蓋付き小型寸胴鍋が大小2つセットになっています。実測のざっくりしたスペックを記すと、<大=直径:約130mm/容量:約1400ml>、<小=直径:約110mm/容量:約900ml>ってとこかな。

EPIgasの「クライマーズクッカーW」。もう廃番となってしまいましたが、我が家では今なお活躍中

ハンドルが折りたためるようになっていて、<大>に<小>が収まり、<小>の中にはワンバーナー用のガスカートリッジがぴったり入ります。さほどの特徴とは言えぬまでも、“スタッキング”という考え方を実直に示してくれた製品でありました。こいつでラーメンをいくつ作って食ったことか。ご飯も思ったより上手に炊けたかな。

深型なので、作ったものを直接食べたり、ウインナーをソテーしたりするにはちょっと扱いにくい。湯を沸かしてドリッパーでコーヒーを淹れる場面では、注ぎ口がないので「ちょろちょろ」とはいかない…。難点もあるといえばありますが、シンプルゆえの頑丈さは折り紙付き。もちろん、ラフに使っていると凹んだり傷ついたりしますが、これもまた“味”となって愛着が増すんですね。

ラーメンもコーヒーも屋外では「JETBOIL」に頼りがちな昨今ですが、それでもクライマーズクッカーは日常生活で大活躍しております。

それは、酔っ払って帰ってきた輩(私だったり息子だったり…)が夜食を作る時。さすがに家人が片付けた直後の鍋や食器を出すのは忍びない。皆が寝静まったキッチンで、おもむろにクッカー<大>に湯を沸かし、マルタイラーメンを放り込む。そして数分後に一気食い&速攻洗浄。後は、何事も無かったように定位置に戻しておく…。慌ただしいんだけど、これがまた旨いんだ。

──そうして我が家では、クライマーならぬ“ドランカーズクッカー”として確固たる地位を築いているのでありました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です