チビヤマメに嘲笑された丹波川

サクラの開花が早かったように、今年は少し前倒しで季節が巡っているようです。近所の藤棚に目をやると、薄紫の花が早くも垂れ下がり始めているじゃないですか。

「毛鉤釣りが面白くなるのは藤の花が咲く頃から」…という話を本や雑誌で読んだ記憶もあって、先日の丹波川釣行は朝から気分が前のめりになっていたのでありました。流れに上手く乗った毛鉤にヤマメが躊躇なく食いつくという“イメージ”だけはバッチリ。

しかーし現地に到着してみると、空気は凛としていて冷たい。朝9時に水温計を流れに入れてみると何と6度ぽっきり。とても「水ぬるむ」って感じじゃないっすわ。考えて見れば、渓流域の藤がほころぶ季節にならなきゃダメなんだよね。ちと早合点。

それでも川面を観察してみると、陽の当たっている淀みでは、ごくごく小さなカゲロウがちらほら舞っております。先のイメージが出来上がっていたので、この日はドライフライに徹してみることに。せっかく修理したので、久しく使っていなかったロッドを手にして、いざ実釣開始です。

16番のパラシュートやソラックスパターンを結び替えながらトライしてみますが…こちらの期待とは裏腹に、水面には何の変化も起こらずにフライはただ静かに下流へと流れていきます。何度やっても同じ繰り返し。そのうち「オレが魚だったら、ここで喰うんだけどなぁ」などと独り言が出る始末。

やがてテンションが下がって、半ばテキトーにキャストしている時に限って、小さめのヤマメがピシャっとな。合わせるタイミングを逸した際、周囲の木々までもが苦笑しているかに感じます。いつまで経っても成長なし。

この日は、浅めの瀬で3度ほどドライに出てきたのですが、結局はフッキングさせることができずに終わってしまいました。厳しいのう。イメージと現実とのギャップがますます乖離していく今日この頃です。

いかにも渓魚が潜んでいそうなんですが…

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