先のエントリーでジーザスが書いていたように、我々の今シーズンの初釣行は鶴川となりました。
まずは、33号線脇にあるデイリーヤマザキで入漁券を購入。消費増税が控えているのに今年も800円というのはありがたい話じゃないですか。──などと、シーズン開幕に浮き足立っていた気持ちも、やがて目の前に広がった残雪のすごさに、にわかに現実に引き戻されることとなりました。
いやぁ、こりゃ厳しい一日になりますよ。そもそも、どこから入渓できるんだろうか!? 土地勘のある上流に向かうほど険しさが増すようなので、まずは大垣内(おおがいと)辺りの様子を伺ってみます。しかし、残念ながら河原に降り立ったばかりの先行者あり。我々4人がここに散らばるのは難しそうなので、やむなく早見切りを付けることにしました。
続いて覗いてみたのは、ゆずりはら青少年自然の里の近辺。やはり先行者がいるようですが、一帯は比較的開けたエリアだったので、とりあえずは竿を出してみることに。町内放送のスピーカーからは、「釣りの方は、雪崩に十分注意してください」とのメッセージが流れています。
河原の雪原をラッセルしながら入渓。重めのニンフを使ったルースリングでしばらく頑張ってみるものの…まったく反応がありません。やっぱりなぁ。エサ釣り(イクラ)のおじさんに遭遇したので状況を伺ったところ、「ポツポツ反応はあるんだけど、そうとう渋いぞ」と浮かない顔。あ、でも魚はいるってことか。
10時半。一同、芳しくないので、さらに移動です。今度は下流に向かい、小和田大橋のあたり。しかし、その直後に近くの工事の影響で濁流が流れ込んで来ちゃいました。だめだこりゃ。なんだか歯車が狂いだしたので、休憩を入れて仕切り直すことにしました。
結局、朝イチで向かった辺りまで戻って、ゆっくりとランチです。雪の上に大型バーナーを設置して、ダッチオーブンで鍋料理に舌鼓。冷えた体に、鶏のダシが効いたスープが染み渡ります。旨いっす。これで午前の沈滞モードがリセットできたかな。
一息ついた後、夕方まではこの辺りで粘ってみることにしました。午前と同じルースニング。私の腕ではラインやインジケーターが表層の速い流れに引っ張られ、思うようにニンフを底近くにゆっくりと流せません。時折、竿を立ててミャク釣りのようなスタイル(アウトリガー?)もとってみますが、7ftのロッドでは、ちと短すぎか。
ピクリともしない時間が続くのにしびれを切らして、3.6mのテンカラ竿を持ち出しました。これに5m近い仕掛けを結び、その先にはビーズヘッドニンフ。底層を狙うには、こっちの方が、断然やりやすいっす。
──ようやく今シーズン初のお魚さんを手にできたのは午後3時近くのことでした。狙ったのは、トロ場の沈み石のあたり。ゆっくりとした流れに馴染ませていたラインが一瞬止まったので竿を煽ると小気味いい引きが感じられます。たぐり寄せた仕掛けの先、ニンフをがっつり咥えていたのは、22cmのちょっと痩せたヤマメでありました。
朝8時から夕方4時、後にも先にも、この1匹だけ。雪深い渓で寒さに耐えながら竿を出すなんて、傍目には“何と酔狂なことか…”って映るのかもしれません。でも、やっぱり釣りって楽しいっすわ。道具を片付け終わったクルマの脇。デジカメの小さな画面に写っている貴重な釣果を確認しつつ、ニヤけている自分が佇んでいたのでした。