ネットを手編みするのは初めてのこと。果たして最後まで仕上げられるのかどうか。失敗しても、何度かトライするつもりで始めてみます。
本やWebサイトで色々と調べてみると、材料にはクレモナ糸というのを使うようです。ちなみに「クレモナ」はクラレの商標で、ビニロンとポリエステルの混紡糸のことらしい…。一般的には、ビニロンロープ(糸)ってことでいいのかな。私はユニチカの製品を調達しました。
まず、自作した網針に大量の糸をストックします。先端近くの爪に糸をかけ、針に添わせて引っ張りながら後端の溝で裏に展開し再び爪に向かう…と、同じことを何度も繰り返します。2本の針それぞれにどれくらい巻きためておけば、途中で糸を足さずに編み上がるのだろう? 経験値がないので、とありあえずは目一杯ってことでいいか。
編み方はいくつかあるみたいですが、今回はまず底面を編んで、その後に周辺を筒状に立ち上げていく方法を採ってみます。基本的に、アカサカネットさんのサイトで解説されている方法を手本にしたので、手順の詳細についてはそちらを参照ください。
フレームには32個の穴を開けました。基本方針としては、「16目×16段」の底面を編んで、さらにサイドを立ち上げていくと、◇の形がぐるり1周64個あるネットに仕上がります。最後に、2つの◇◇を1つにまとめる「減らし目」をすべてに施すことで周端の目数は半減して32に。これをフレームの穴にくくりつける段取りです。
フライラインの余りなどに、編み始めのきっかけとするループを別糸で作っておくとスタートが楽みたいなので、素直に従いました。それが整ったら、後はひたすら網針を動かしてクレモナ糸で◇形の目を1つひとつ増やしていくだけ。主に使うのは「蛙又(かえるまた)結び」ってやつです。
慣れない当初は1目進むにも時間がかかります。まるで、心身ともに準備せぬまま長距離走に挑んでしまったような感覚。それでも、数をこなすと徐々にリズムが出てきます。目を揃えるコマの扱い、網針の取り回し、結びコブの仕上げ…何となく体が覚えて、ぎこちなくはありますが効率は上昇基調に。
もっとも、単純作業の繰り返しだけに忍耐力が欠かせません。ノリの良いBGMを流し、適度に酒を飲みながら、黙々と先に進みます。──何とか週末のうちに、16目×16段の底が編み上がりました。
じっくり見ると、目の形や大きさがまちまちでテキトー感に溢れております。チビチビやってたつもりでも結構な量の酒を飲んだようで、それはスピードアップには寄与しても、クオリティ面では副作用を起こしてしまったようです…。
ま、最初はこんなもんじゃなかろうか。くじけずフニッシュさせて、あまりにも醜くければ、もう1つ編み直せばいいや。──って言うのは簡単だけれど、この4倍ほどの量を編まなければならない後半を考えると、正直滅入っているのでありました。
ご参考:自作に関わる記事をまとめてみました。以下にリンクがあります。
私はカヤの木で鮎ダモと渓流用の小さいタモを作っていますが網の
いいのがありません。内径が違ったり深さが浅かったりして、いまだに6個のタモに網がついていません。よかったら寸法をお伝えしますので、作って頂けないでしょうか。宜しくお願いいたします。
羽手村さま コメントありがとうございます。私も渓流ダモを作ったことがあります(→http://www.hookandcook.jp/?p=1513)。この時は市販のネットでサイズに合うものを見つけました。お問い合わせの件については、メールを差し上げましたので、ご確認ください。