また、やってしまった…。アプローチにもキャスティングにも気を遣って、思惑通りに掛けた1匹。しかし、その直後の身のこなしが緩慢で、まんまと逃してしまったのです。9月27日の日川釣行。入渓早々にアマゴをかけ、さらにサイズアップを期待して2匹目を狙っていた時の出来事でした。
落ち込みから続く筋にエルクヘアカディスを浮かべ、底石が入った流れ出しに差し掛かった所で上がった大きな飛沫。アワセが効いて、グイグイ引っ張られる感触がロッドから伝わってきます。これは久々の大ものと心躍らせて引き寄せる矢先、一直線に張っていたはずのリーダーティペットが目の前で弾け、フライだけが宙に舞いました。
痛恨のバラし! しばしの抵抗に疲れて足元に寄ってきたはずが、再び激しくローリングして姿をくらませました。なぜ? どうして? 派手な出方だったことから推察するに、がっぷり喰えずに薄がかりし、最後の最後に肉切れを起こしたのか…。
直立不動でロッドを立てて相手が音を上げるのを待つのではなく、優位な場所へ走って速やかにラインをたぐっていればランディングできていたかもしれません。省みれば気がつくことは多々ありますが、すべては後の祭り。What’s Done is Done.
その日、そこそこの数のアマゴが相手をしてくれたものの、結局のところサイズは伸びずじまい。良型を逃したショックを引きずってもしょうがないと途中で自分に言い聞かせても、心のリセットって難しいもんですね。今期ラストだというのに、納竿までの間、どこか気の抜けた釣りがずるずると続いてしまったのでした。
フライを本格的に始めて5年目。それなりに釣れるようにはなってきたけれど、詰めが甘かったり、所作がなってなかったりする場面は多々あります。今回のバラシなどは典型例。凡ミスによる糸の絡ませや、結び目の不備によるトラブルは一向に減らないし、釣果撮影の直前に逃亡されるなんてことも数えきれず。
単独釣行も含めて今期は19回ほど渓流に出かけたけれど、上出来といえるシーンはごくわずか。贔屓目に挙げるなら、日川のイワナと、鹿留川のヤマメと、神流川のヤマメくらいかな。掛けてからランディング、写真による記録、そしてリリースまでの一連の動作をスマートかつスムースに──。それが来シーズンの目標です。